活動報告
オマハカダバーコースに参加して
永野結香先生(仁デンタルクリニック)
私は外科的なことが苦手でインプラントもまだ埋入したことがありません。そんな私がいきなり、カダバー実習(それもアメリカ!)。いろいろ大丈夫だろうかとすごく不安でした。でも今回参加できて本当によかったです。ノートン先生、ベン先生の解剖学をCT像を交えてまず座学で受けて最終日がカダバー実習なのですが、インプラントを埋入したり、全層弁・部分層弁の形成、縫合、色付きの液体で伝麻の効奏部位の確認、ソケットリフトなどアドバンスな内容までたくさんの貴重な経験をさせていただきました。どの場面でも築山先生、宮本先生が細かく指導してくださり様々な臨床のコツも教えてくださいました。
また参加されている先生方はすごい方ばかりなのですが、私がわからないことだらけで戸惑っていると声をかけてくださったり、ご自身の体験を話してくださったりと、このことも大変勉強になりました。
学ぶことに終わりはないのですが、自分の中で高いハードルと思っていたカダバーコースに参加したことは大きな自信になり視野も広がりました。できればまた来年、少しでも成長して参加したいと思っています。本当にありがとうございました。
オマハカダバーコースを終えて
乗富啓介先生
そもそも、カダバー実習とは学生時代に受けたはずでした。しかし、歯科医療者としてあまりにも意識の低い(自分はそうだった)大学3年生の時に受けたものであり、理解がとても浅かったように思います。その解剖学を改めて、そして学生時代よりも洗練された環境でより深く理解することができました。
講義は熱意のある講師の方々のとても分かりやすく練られたスライドで学ぶことができました。そして、その講義を受けた上で実習に臨むことができたため、実習の理解をさらに深めることができたように感じます。実習では日本の学生実習で用いられるカダバーよりもはるかに鮮度の良いものを使用させていただくことができ、より鮮明に目に映る映像を通して、顎顔面口腔解剖の3次元的位置関係を理解することができました。このことは日本では決して体験できない貴重なものです。
そして、コースの受講仲間には、非常に意欲の高い先生ばかりいらっしゃったように感じます。1回だけでなく、複数回受講されている先生もおり、その学びの姿勢に刺激を受け、自分のこれからの歯科医療への取り組みの励みとなりました。懇親会での会話から先生方の思想に触れ、大きな学びとなりました。
たった1週間でしたが、自分の歯科医師人生の中でとても大きな経験になりました。このような学びの場を作ってくださったPHIJスタッフの皆様に心より感謝致します。
オマハカダバーコースに参加して
宮井崇宏先生(水戸インプラント矯正歯科クリニック)
- 1.コースの内容について
- カダバーコースは、他の研修会を含めて2回目になりますが、カダバーがフレッシュなのが良かったです。切開や縫合の感触は、生きている人間と遜色なくリアルな感じで非常にトレーニングになりました。
- 2.講師陣について
- 解剖の教授のノートン先生・ダン先生・宮本先生・築山先生と幅広い知識を有している先生方からの指導を受けられ、学生に戻った気分で勉強になりました。ノートン先生は、非常にフレンドリーで、ウェルカムパーティーからいろいろお話しでき、いろいろご指導いただけたのが良かったです。宮本先生には、アメリカの歯科事情やアメリカの開業医の苦労、アメリカでの歯科医院のマネージメントなど大変参考になる話があり、役立ちました。また、宮本先生・築山先生は同世代で、話しやすく、来年のコースの要望まで取り入れていただき、ありがとうございます。
- 3.オマハの食・町について
- オマハでおいしかった食べ物は、ステーキです。オマハでステーキは有名らしく、肉質が良かったです。USビーフは、ミディアムレアがベストな焼き加減だと思います。特にヒレが美味しいです。講義の後、ダウンタウンにレンタカーで行きましたが、町の感想としては、のんびりすることができる田舎町という感じです。
今回このアットホームでかつ実践的な研修会に参加できて、非常に有意義な時間を過ごせました。講師の先生方、アシスタントの先生方、いろいろご指導頂きありがとうございます。
オマハカダバーコースに参加して
山田邦彦先生
私は矯正を専門にしていて、今まで外科処置にほとんど触れてきませんでした。
しかし、矯正専門医でもより良い治療を求めると、矯正治療の知識だけでなく、コルチコトミーや矯正用アンカースクリューの埋入などの外科の知識や、それに伴う顎顔面領域の解剖の知識が必要不可欠であると感じるようになりました。
このコースの募集を見た時、まさに自分が求めているものだと思い参加を決めました。解剖実習は学生の時に行って以来でしたが、歯科医師になってからずっと顎関節や口腔周囲の解剖をもう一度行いたいと思っていました。
ノートン先生の講義のスライドは、細かい部分の解剖が丁寧に図示されており、また臨床での注意点なども説明してくれるので、とても理解しやすかったです。併せて希望の部位を剖出して、実物を見せていただけるというのは他には無いものだと思います。
実習に用いられるカダバーは、とてもフレッシュで実際の患者とほとんど変わらない状態である事には驚きでした。また、実習ではインプラント埋入だけではなくコルチコトミーの実習も行わせていただき、とても貴重な経験に本当に感謝しています。
講義は朝から夜まで余すことなく組まれており、またホテルの周囲にはほとんど遊ぶところもなくまさに合宿でしたが、非常に充実した時間を過ごすことが出来ました。
毎年何人もの先生がリピートして参加している理由が分かる本当に良いコースでした。私も是非また参加したいです。
PHIJの先生方、本当にありがとうございました。
オマハカダバーコースに参加して
山田正人先生
オマハからの帰国後、もう一月です。あの草原の様なホテルロケーションから、日々の雑事に追いかけられております。
コースの設計に関しては、よく考えられていると感じました。臨床家がハンドリングするコースでは、単に、インプラント埋入だけに焦点が当てられていて、本来の、解剖学のおさらいが不十分な事が多いようです。岩永先生の存在も意味があると感じました。臨床解剖学という新しい視点も新鮮でした。ただ解剖に当てる時間が少々少なく感じました。参加者の希望を聞かれていたのは、とてもよい事ですが、それを、板書して、どのステージまで進んでいるのか、どこがまだ、達成出来ていないのかを、主催者側が、把握しておくほうが、最終的には、参加者の満足度を高めることになると信じます。また、そのリクエストに対して、適切なメンバーの組み合わせ、また、遺体の選択も進めておけるのではないでしょうか。例えば、抜歯即時埋入が希望なら、無歯顎は適切ではないでしょうし、オールオン4が希望ならその埋入から、テンポラリーセットの前段階までは、材料を用意しておかれるというのは、どうでしょうか。(ただし、そのような希望ならその費用を別途請求されるのもありです。カダバーでオールオン4実習出来るコースなど、聞いたことありません。)
また参加者のレベル合わせは工夫が必要と感じました。 全くの初心者と、おそらく1000本以上は埋入している先生が同列で実習するのは少し無理があるように感じました。また、私の個人的な問題かもしれませんし、個人的な興味かもしれませんが、自身の手技をモニターして頂きたかったです。例えば、単なる切開線の入れ方、その場所が適切なのか、もっと場所を工夫する必要があるとか。また剥離自体も、しっかり誰かにインストラクトされた記憶がありません。
もしかしたら自身は乱暴にしているかもしれませんし、剥離の量が不足気味かもしれません。ひとつひとつの手技を、しっかりと、教えて頂けるコースにして頂けると、私にはとても意味のあるものになります。遺体を使わせて頂き、単に、遺体上で経験できたというものではなく、確実に、解剖をまなび、確実な手技を、身につけれるコースに仕上げてください。
また、あまり重要なことではありませんが、宮本先生宅での会食は、初日でないほうが良いと思います。顔合わせしたばかりですので、日本人は、そこまで、フレンドリーには、振る舞いづらいです。ただ御自宅に招かれたことは、私にとってはサプライズでもあり、とても嬉しく感じました。
また本当に勝手なことですが、オマハプレスのビルの会食はいかがなものでしょうか。私はステーキハウスの方が随分快適でしたし、お料理も、数段上質と感じました。
また宿泊はダウンタウン近辺が良いと思います。あまりに夜が長いですので。行くところがないというのもなかなか素敵でしたが、ならばナイトミーティングもありではと感じました。日本人は講演会の最中に手を挙げるのは苦手な人種ですので。ちなみに滞在中に使ったドルは10ドルにもなりませんでした。これは私にとっては完全に記録です。
更にご提案です。開業医が困っている事、またうまくできない事にフォーカスを当てるというプランはどうでしょうか?ペリインプラントタイティスもそうでしょうし、築山先生や、宮本先生には、簡単かもしれない結合組織移植などもお話しして頂き、更にはカダバーでの実演があれば有難いですし、それを参加者がなぞってやってみるというのはどうでしょうか。
また来年は6回目。同窓会を企画されてはいかがですか。ただし御飯だけ食べるのは無しの集まりであれば、有意義だと思います。この時にコース説明会を併設し、OBOGが説明に参加するという企画もありです。
素直な感想は秀逸な人達による、優れたコースというものです。この国の歯科の世界を変えうる人達にお会いできた事に、感謝しております。
2017年PHIJオマハカバダコースに参加して
和久田一成(わくだ歯科)
待ちに待ったオマハカバダコースへ参加することが出来ました。臨床解剖は、毎日の臨床をして行く上で、非常に重要ですが、なかなか勉強する機会が少ないのも事実です。
本コースは、2009年スタートで今回が8回目とのこと。初期のコースに比べ、現在は少数精鋭のコースとなっており、今回は11名でのコースでした。
1日目、2日目はホテルでの講義で、ノートン教授から頭頸部の解剖を、ベン教授からはCBCTの診査診断について勉強しました。日常臨床に役立つ内容で、分かりやすく講義頂きました。
また、宮本先生のプライベートオフィスの見学や、マネージメントの講義も非常に興味深く、役立つ内容でした。
3日目のクレイトン大学でのカバダ実習は、2人に1体。器材も十分用意頂き、私は、インプラント植立、抜歯即時埋入、GBR、上顎洞挙上など実習出来ました。
日本からの移動には時間が掛かりましたが、それ以上に充実した貴重な勉強、経験が出来ました。
ノートン教授、ベン教授はもとより、宮本教授、築山先生、岩永先生、寺崎先生、ベッキーさん、その他、多くの人たちのご尽力により開催されたコース。至れり尽くせりの充実したコースとなりましたことを、感謝しております。
ありがとうございました。