先日、いよいよ2019年度PHIJベーシックコースが開催されました。
ありがたい事に今年も満席となり、一年間共にあるべき歯科医療の姿を実現するためのチームとして切磋琢磨していければと考えております。
しかしながら、「参加したいが満席で参加できなかった」、もしくは「興味はあるが実際にどのような内容なのか気になる」などもっと詳しく知りたいとう歯科医師、歯科衛生士の方も多くいらっしゃる事と思います。そのため、実際にどのような雰囲気でセミナーを行なっているのかここを通して発信していきたいと思いますので、是非悩まれている歯科医院さんは参考にされてみてください。
さて、前回の第1回目ではMTM(メディカルトリートメントモデル)と呼ばれる医療モデルの概説、PHIJの医療哲学を主とした講義、実習でしたが、今回第2回目からは本格的に世界水準の歯周病学を学んでいく事になります。
2019ベーシックコース
第1回より
第2回目は、前回から場所を移して、ヨシダの福岡営業所をお借りして行われました。
今回は実習がないため二日間みっちりと講義になりましたが、歯周病学の基礎となる内容であり、先生方だけでなく歯科衛生士さん達にとっても分かりやすく大変身になる内容だったのではないでしょうか。
一日目二日目を通して、PHIJ Directorである築山鉄平先生からは口腔内外の検査、歯周組織の基礎、そして歯周病因論について講義していただきました。内容としてはかなり複雑で難解な所もありましたが、エビデンスをベースに幅広い知識を論理的かつ系統的に網羅し、そこを分かりやすく教えていただいたことは、参加されている先生方にとっても理解しやすく、歯科衛生士さんにとっても患者さんと向き合う中で応用でき、普段何気なく行なっている歯周組織検査も深く理解する事で、一つ一つの意義や手技を確認できたのではないでしょうか。
そして受け身のセミナーではなく受講生にも参加していただき、今回は、6医院の先生方に3つの論文抄読をしていただきました。
稲田先生、古賀先生による長期的なメインテナンスの効果に関する論文抄読
江間先生、北条先生による予後診断に関する論文抄読
安藤先生、濱田先生による歯周病病因論の新たな見解に関する論文抄読
それぞれ難解な論文ではありますが、PHIJを理解する上では重要なファクターであり、皆さんに噛み砕いて分かりやすくまとめていただきました。各先生方、本当に素晴らしい発表であり、かなり尽力いただいたのではないでしょうか。本当にお疲れ様でした。
ランチョンミーティングでは、クロスフィールドの小林さんからスウェーデン生まれの口腔ケア製品、TePeの紹介がありました。予防歯科先進国の歯ブラシ、歯間ブラシという事もあり、先生方はもちろん衛生士さん達が興味津々に聞きに行かれていました。
また、昼食後は、リニューアルされ広々として綺麗なヨシダのショールームの見学を皆さん楽しんでいました。
特にIoT連携による音声操作が可能なユニットには、OK googleと思わず声をかけてしまった先生方も多いのではないでしょうか。
野間先生によるEBMの概要と実践についての講義では、なぜエビデンスが必要なのか、エビデンスの探し方、また実際にどのように臨床に落とし込んでいくかをPICO、PECOを通してステップ毎に大変分かりやすく教えていただきました。また、重ねて論文の検索方法や読み方、そもそもの研究の種類も深く理解することができました。
これから臨床上で生じた疑問があれば、最良の論文を探し、患者さんとの選択の中に取り込んでいけるきっかけを作っていただいたのではないでしょうか。是非、実践し行動に移していけることを期待しています。
2019ベーシックコース第2回目である今回は、かなり内容の濃い講義が中心となりましたが、そもそも、このPHIJというプログラムは元AAP会長のDr.MichaelK.McGuireが1979年に設立した予防、歯周療法学、インプラント、歯科衛生に重点を置くPeriodontal Health Professionals(PHP)の日本コースであり、このコースの特筆すべき所は世界標準の歯周病学、インプラント分野の教育を行うのみでなく、Dr.BoKrasseが提唱する「メディカルトリートメントモデル」と呼ばれる医療モデルを実臨床に導入する為のプログラムという点でもあります。
何とも欲張りなセミナーにはなりますが、その分全国から日々悩み苦労をしている歯科医院さんに受講していただいているのではないのかなと思います。
質の高い予防と治療「予測医療」を持続するためには、医院自体また、院内全員が哲学を持つことが重要になります。このPHIJベーシックコースを通して、その軸となる人間力を磨き、参加される歯科医院があるべき歯科医療の姿を実現するための機会になればと思います。
2019ベーシックコース受講生の皆様、一年間どうぞよろしくお願いいたします!
PHIJ運営スタッフ一同